こんにちは!Kitchen BASEです!
昨今、注目度が高くなっているゴーストキッチン。デリバリーに特化しているために、飲食店の新しい形として登場してきています。
本記事では、ゴーストキッチンの仕組みや開業するまでの流れなどを徹底解説していきます。必要な営業許可やゴーストレストランとの違いなども解説していきますので、ぜひ参考にしてください。
ゴーストキッチンとは
ゴーストレストランとは、デリバリーに特化した飲食店および、デリバリーで提供される料理をするためのキッチン施設のことです。
フードデリバリーの需要増加を受けて誕生した飲食店の形で、調理とデリバリーにのみ特化しています。
ゴーストキッチンでは接客するスタッフはおらず、店舗内の装飾もありません。そのため初期費用やランニングコストを大幅に削減することができます。
また、デリバリー専門なので客席を用意する必要もなく、小規模でビジネスをスタートさせることが可能です。
ゴーストレストランは、「クラウドキッチン」「クラウドレストラン」「バーチャルレストラン」などともいわれています。
ゴーストキッチンの仕組み
ゴーストキッチンが飲食店としてお客さまに商品を提供する仕組みを解説します。
まず飲食店や個人事業主がゴーストキッチン専用の施設やシェアキッチンに入居し、Uber Eats・出前館・menuなどのデリバリーアプリを通じて注文を受け付けます。注文が入ると、厨房で調理し、配達パートナーが料理を届けるという流れです。
また、同じ厨房から複数ブランドを運営する形式も一般的で、1つのスペースでカレー店・ハンバーガー店・韓国料理店など、複数の業態を並行展開できる柔軟性があります。
これにより、少ないリソースでテストマーケティングを行い、人気メニューに絞ってブランドを育てることが可能です。
ゴーストキッチンは自宅や賃貸物件で開業できる?
自宅や賃貸物件でも一定の条件を満たせば、ゴーストキッチンを開業できます。
自宅の場合、保健所の「飲食店営業許可」または「菓子製造業許可」などが必要になります。自宅のキッチンは一般的に家庭用仕様のため、調理スペースと生活スペースの分離や手洗い場の設置、換気や給湯設備の基準など、許可を得られる仕様にリフォームする必要があります。
また、賃貸の場合はオーナーの承諾が必須です。住居専用物件では営業行為が禁止されていることが多く、営業用に使うには店舗・事務所利用が可能な物件を選ぶ必要があります。
ゴーストキッチンとゴーストレストランの違い
ゴーストキッチンもゴーストレストランも「デリバリー専用の飲食店およびそのためのキッチン施設」という意味では同義です。
しかし、ゴーストキッチンが「複数の飲食ブランドや店舗が共用で使う調理専用の施設」として使われるのに対し、ゴーストレストランは実際に料理を販売するブランドそのものを指すことがあります。
ゴーストキッチンの市場動向
フードデリバリーの活発化と同時に、ゴーストレストランも増加していきました。そんな市場を改めて分析していきましょう。
コロナ禍の影響でデリバリー売上は2倍に
新型コロナウイルスの影響により外出の制限や、外食に対しての制限があり、フードデリバリーの売上規模は大幅に変化しました。
あるデータでは、2014年のデータから2019年はデリバリーの売り上げが2倍になったといわれています。
さまざまなフードデリバリーサービスが参入してきたことも加えて、飲食店も参加するための障壁が低く、また顧客も注文することに対してハードルが大幅に減ったことが要因と言えるでしょう。
検索数が1年で300%と大きく増加
コロナ禍において、飲食店は非常に打撃を受けました。営業時間の短縮などがあったために、売上の大幅な現象がありました。
そんなコロナ禍において、デリバリーやテイクアウトを行う顧客が増え、検索数が300%の増加しています。新しい店舗戦略として、新しい手段を模索しながらチャレンジする飲食店さんが増加しています。
また、ゴーストキッチンに出店するための資金調達も活発になってきており、大口の資金調達も増えてきていています。
世界では100兆の市場へ成長
市場調査会社ユーロモニターによると、今後、テイクアウト市場の約50%がゴーストキッチンによって代替されると予測されています。世界全体での市場規模は100兆円を超えるとも言われており、その成長性に大きな期待が寄せられています。
新型コロナ禍においては、営業制限が続く中でも事業継続が可能な業態として注目を集めました。ゴーストキッチンは、飲食業界を支える新たなビジネスモデルとして、既存の飲食店を救う可能性を秘めているとも言われています。
ゴーストキッチンのメリット
メリットが多いと言われているゴーストキッチンですが、もちろんデメリットもあります。両方ともしっかりと理解した上で開業までのプロセスを踏めるようにしていきましょう。
1.低コスト低リスクで開業できる
客席を持たないため、内装費用や厨房設備などの投資がかからないので非常に低リスクで進められます。もし仮に全てを買い揃える場合は最低でも数百万かかることも。そんな設備が揃っているゴーストキッチンでは、初期費用を大幅に抑えられます。
2.接客スタッフが不要なのでコストダウンができる
クラウドキッチンの場合、必要なのは賃貸料のみ。なので、他に必要に有するものは多くありません。接客するスタッフは必要ありません。なので、ランニングコストも大幅に抑える事ができるために運営しやすくなっています。
3.デリバリーアプリによる顧客分析ができる
人気メニュー、注文時間帯などの動向、ユーザーの年代や注文場所(家やオフィス)などのデータを容易に集める事ができます。店頭では集めにくかったデータが容易に収集可能になりました。その膨大なデータを分析して、いかに運営を効率的にしていくのか、新規のメニューを開発していくのかを考えやすくなっています。
4.販売チャネルの拡大
ゴーストキッチンのメリットは、販売チャネルが拡大します。さまざまなフードデリバリーを使用することももちろんのことですが、それだけではなく既存に入っているテナントにファンがついていて、最初からある程度の顧客を抱えていることもあります。そのために今まで出会わなかった顧客を獲得できる可能性があります。
5.同業者との情報交換
ゴーストキッチンには他のテナントも入っていますので、飲食店同士での情報交換が活発に行われます。もちろん、個々の店舗がライバルではありますから全て開示しあえる訳ではありませんが、一緒に協力する仲間として、いろんな情報交換を積極的に行う事ができます。一般的な店舗をオープンしているだけでは知られなかった情報も知る事ができるのは、非常にメリットといえます。
ゴーストキッチンのデメリット
ゴーストキッチンの開業にはメリットだけでなくデメリットも存在します。ここでは、ゴーストキッチンのデメリットをみていきましょう。
1.手数料が高い
設備投資などに費用はかからないのですが、初期の手数料などはかかってきます。初期の手数料としては、非公開にしているゴーストキッチンも多いので一概にはいえませんが、家賃の2~3ヶ月分かかる事が多くなります。
とはいえ、設備を全て揃えるとしたら数百万円かかると言われる中で低くできる点に関してはお得ではあります。
2.顧客との直接的な接点が少ない
ゴーストキッチンでは、デリバリー中心なので顧客との接点が実店舗より少なくなってしまいます。そのために新規の顧客を獲得するのは、いかに考えて行っていくべきなのか、を考えていく必要があります。
SNSの活用を積極的に行う、デリバリー代行サービスを活用できるのか、その点が非常に重要になってきます。
3.品質管理が難しい
ゴーストキッチンでは、デリバリーを介して料理が届けられるため、調理したばかりの料理と完成した料理にギャップが生まれてしまう可能性があります。
特に熱々で食べるとおいしい料理は、デリバリーをしている間に冷めてしまうことも。お客さまに商品が届いた瞬間に1番おいしい状態になるよう工夫が必要です。
ゴーストキッチン開業の流れ
ここでは、ゴーストキッチン開業の流れを解説します。開業における注意点にも触れていますので、一緒に確認していきましょう。
1.お店の事業計画を練る
まずは店舗の事業計画を行っていきます。
客層は?どのようなメニューを提供したいのか?どうやってやっていくのか?
などから実際かかるランニングコストはいくらになるのか、初期でかかる費用はどれくらいになるのか、検討しましょう。
しっかりと収支を考えて事業計画を作成することが重要です。
2.物件探しと資金調達
実際にデリバリーといえど「どこに出店するのか」で客層は大きく変化していきます。どこのエリアで、そのエリアにはどの客層が多いのか、検討していく必要があります。
また、それだけでなく資金の調達も必要になります。銀行に借りるのか、またその他の方法を使用するのか、いくつかの方法を考えていきましょう。
3.料理やメニューを考える
料理のメニュー、売れ筋になる「強み」を作っていきます。どれが一番提供したい強みにしていくのか、売れ筋を作れるように研究を繰り返していきます。
また出店するエリアに合わせたメニュー構成を考えて、作成していきます。
4.必要であれば内装・外装塗装を行う
内装や外装の塗装を行います。とはいえゴーストキッチンは基本的に設備は整っていることが多いですし、客席数を持ちませんので必要ないことも多いです。
5.届出や資格の提出
ゴーストキッチンも、飲食店の許可が必要になります。保健所の立ち入り検査が入り、食品衛生法に基づいて許可をもらうことで営業を開始することができます。資格も必要で、調理師などの資格がない場合は食品衛生管理者の資格が必要になります。
設備の許可はゴーストキッチンの場合、問題なく許認可が通ることが多いため安心できます。
6.オープンに備えたスタッフの採用と教育
接客スタッフを有しないゴーストキッチンですが、調理スタッフの採用は必要になることが多いです。オープン時にどれくらいの売上を見込んでいるのかで変化しますが、スタッフの採用と教育は進めていきましょう。トレーニング期間なども持ちながら余裕の持った設計をしていくことが必要であるとされています。
7.タブレットを用意する
ゴーストレストランでは、レジシステムの代わりに、オーダー数や売上げなど全ての情報を管理するタブレットを使用します。
キッチンベースでは、1店舗につき1台無償で貸し出しをしています。クラウドキッチンなどの店舗で開業をする場合には、ぜひ運営元のサービス内容を確認してみてください。
8.デリバリー代行サービスへ登録する
ゴーストレストランを運営するには、掲載されている複数の店から好きな店を選択して出前ができる「総合型」と言われるデリバリー代行サービスに登録する必要があります。
代行サービスの利用には、HPやSNS上でデリバリーをはじめるよりも人件費や広告効果が高いというメリットがあります。
ゴーストキッチン開業に必要な営業許可
ゴーストキッチンの開業には届けるべき許可がいくつかあります。許可を申請しないと罰則がある場合もありますので、事前に確認しておきましょう。
⾷品衛⽣責任者
食品衛生責任者とは、飲食店において衛生管理の中心を担う責任者が持つべき資格です。各都道府県が開催している講座を受講することで取得することができます。食品衛生責任者の役割には、従業員への衛生教育や定期的な講習会への参加などがあります。
飲食店営業許可
食品衛生法に基づき、飲食店を開業するために必要な許可です。食品衛生責任者を設置したうえで店舗の所在地を管轄する保健所に申請することで取得できます。飲食店営業許可がない状態で飲食店の経営を行うと、罰則の対象となりますので注意してください。
防⽕管理者
防火管理者とは、火災による被害を防ぐために建物ごとに必要とされる資格です。そのため防火管理者の資格はすべての飲食店に義務付けられているわけではありません。
防火管理者の資格を取得するには「防火管理講習」を受講する必要があります。講習は、都道府県知事、市区町村の消防署、または日本防火・防災協会などが実施しています。
ゴーストキッチンに関するよくある質問
ゴーストキッチンが「やばい」と言われる理由は?
ゴーストキッチンは運営形態や消費者への影響、労働環境の問題など複数の要素から「やばい」と言われることがあります。
すべての飲食店に課題があるわけではありませんが、作り手のキッチンや衛生状況が不透明であるため、不信感を抱きやすい背景があるようです。
ゴーストキッチンが「まずい」と言われる理由は?
ゴーストレストランの中には、複数の飲食店ブランドを展開していることもあり、効率化を求めるあまり品質が低下しているケースがあります。
また、ゴーストキッチンで作られた料理はデリバリーにより提供されるため、冷めて美味しくないという評価が発生することもあります。
ゴーストキッチンが失敗する要因は?
ゴーストキッチンが失敗する要因はさまざまですが、品質の低下とマーケティング不足が大きな要因だといえます。
ゴーストキッチンの場合、味や見た目が評価されないとリピート客を獲得することができません。また、実店舗がない分、オンラインでの集客が飲食店の運命を握ってしまうという側面もあります。
居抜き物件を活用してゴーストキッチンを始めることはできますか?
居抜き物件を活用してゴーストキッチンを始めることは可能です。居抜き物件で飲食店用の厨房設備が残っている場合も多く、新規で設備を揃えるより初期費用を抑えることができます。居抜き物件を使用する場合は、保健所に必要な改修や確認事項を確認するようにしましょう。
マンションでゴーストキッチンを開業することは可能ですか?
マンションでゴーストキッチンを開業するのは、基本的には難しい場合が多いです。多くのマンションは住居専用地域に建てられており、飲食店営業などの商業行為が原則として禁止されているためです。ゴーストキッチンを開業したい場合は、KitchenBASEのようなキッチン施設への入居を検討しましょう。
まとめ
いかがだったでしょうか?
一般的な飲食店とは違った点も多いのがゴーストキッチン。集客方法や運営方法も実店舗の飲食店とは大きく異なります。
ぜひ本記事を参考に、ゴーストレストランのスムーズな開業を目指してみてください。
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▶︎ クラウドキッチン「KitchenBASE(キッチンベース)」とは?
KitchenBASEは、デリバリーに特化した飲食店向けの業務用キッチンです。デリバリー専用の効率的な調理・梱包・配送が可能なレイアウトと設備が整っていますので、デリバリー専門店の調理やキッチンカーの仕込み、業態開発などさまざまな用途に活用できます。
施設は高田馬場や高円寺など、東京と大阪を中心に展開。独自データを基にデリバリーに最適な立地を厳選して展開していますので、初めてデリバリー専門の飲食店をオープンする方でも効率的な売り上げアップが期待できます。


