June 26, 2026

飲食店開業のために必要な許可・申請手続きを解説

昨今の飲食業界において、飲食店を開業することは大きな可能性を秘めた挑戦です。実際、外食産業は35兆7,116億円の市場規模を見込むと発表されており、着実に成長を続けています。(株式会社富士経済 プレスリリース第25077号より)

一方、飲食店の開業には、さまざまな許可や申請手続きが必要です。必要な許認可を把握して法令を遵守することは、スムーズな事業運営に欠かせません。また、罰則やトラブルを未然に防ぐためにも非常に重要です。

事業登録から食品衛生に関する許認可まで、ライセンスの目的はそれぞれ異なり、管轄する機関もさまざま。本記事では、飲食店の開業に必要な許可・申請手続きについて解説します。スムーズな開業に必要な許認可をきちんと把握したい方は、ぜひ参考にしてください。

<この記事のまとめ>

  • 飲食店開業に必須である申請は飲食店営業許可や食品衛生責任者など
  • ケースによっては防火管理や看板設置に関する届出も必要
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【必須】飲食店開業に必要な許可・申請一覧

飲食店を開業するには、複数の許認可を取得する必要があります。ここでは、開業前に押さえておきたい主な許認可について、その概要や申請先、取得が必要となる理由をあわせてご紹介します。

1. 開業手続き

飲食店を開業する際は、まず事業者としての登録手続きを行う必要があります。個人で開業する場合は税務署へ開業届を提出し、法人として運営する場合は会社設立の手続きを行います。これらの手続きは事業を正式に開始するための基礎となり、税務申告や各種契約を行う際にも必要です。

2. 飲食店営業許可

飲食店を開業する際に、まず取得しなければならないのが「飲食店営業許可」です。これは、食品衛生法に基づいて定められた許可で、飲食物を調理・提供する店舗を営業するために必要となります。

飲食店営業許可は、店舗所在地を管轄する保健所に申請しましょう。申請後は、店舗設備が基準を満たしているかを確認するための立入検査が実施され、問題がなければ許可証が交付されます。なお、手洗い設備やシンクの数、換気設備などには細かな基準が設けられているため、内装工事の前に保健所へ相談しておくと安心です。

3. 食品衛生責任者

飲食店を開業する際は、店舗ごとに1名以上の食品衛生責任者を配置する必要があります。食品衛生責任者は、食材の適切な管理や調理環境の衛生維持、従業員への衛生指導などを行い、安全な食品を提供するための重要な役割を担います。

食品衛生責任者の資格は、各都道府県の食品衛生協会などが実施する講習会を受講することで取得できます。飲食店営業許可の取得には食品衛生責任者の設置が必要となるため、開業準備の早い段階で資格取得のスケジュールを確認しておくことが大切です。

4. 防火管理者

一定規模以上の飲食店を開業する場合は、防火管理者を選任する必要があります。防火管理者は、火災の予防や避難体制の整備、消防設備の適切な管理などを行う責任者です。特に飲食店では、ガスコンロやフライヤーなど火気を使用する機会が多いため、火災対策は欠かせません。

防火管理者になるには、消防署などが実施する防火管理講習を受講し、資格を取得する必要があります。また、選任後は消防計画の作成や避難訓練の実施など、継続的な防火管理が求められます。

なお、防火管理者の選任義務は店舗の収容人数や建物の用途によって異なるため、すべての飲食店が対象となるわけではありません。開業前に管轄の消防署へ確認し、自店舗に必要な手続きを把握しておきましょう。

5. 酒類を提供するための許認可

飲食店でアルコールを提供する場合は、営業形態に応じて必要な許可や届出を確認する必要があります。一般的な飲食店やレストランで店内提供のみを行う場合は、飲食店営業許可があれば酒類を提供できます。

一方、午前0時以降も酒類を提供するバーや居酒屋などを営業する場合は、「深夜酒類提供飲食店営業開始届出」を管轄の警察署へ提出しなければなりません。この届出は、深夜帯に主として酒類を提供する飲食店が対象となり、営業開始の10日前までに手続きを行う必要があります。

また、酒類をテイクアウト販売したり通信販売したりする場合は、税務署が管轄する酒類販売業免許の取得が必要です。営業内容によって求められる手続きが異なるため、開業前に自治体や警察署、税務署へ確認し、必要な許可・届出を済ませておきましょう。

【推奨】飲食店開業に必要な許可・申請一覧

ここでは、必須ではないがケースによって必要になる許可や申請を解説します。

1. 建築・用途変更に関する手続き

飲食店を開業する際は、物件の用途や工事内容によって建築関連の手続きが必要になる場合があります。特に、オフィスや住宅など飲食店以外の用途で使用されていた物件を店舗へ変更する場合は、用途変更の手続きが求められることがあります。

また、大規模な改装工事を行う場合は、建築基準法に基づく確認申請が必要になるケースもあります。これらの手続きを怠ると、営業許可の取得や開業スケジュールに影響する可能性があるため注意が必要です。

物件契約後に問題が発覚するケースも少なくないため、契約前の段階で不動産会社や施工業者、自治体の建築担当窓口へ相談し、飲食店として営業できる物件かどうかを確認しておきましょう。

2. 消防設備・防火管理に関する手続き

飲食店を開業する際は、食品衛生に関する許可だけでなく、消防法や建築基準法に基づく安全対策も必要です。店舗の規模や構造によっては、消火器や自動火災報知設備、誘導灯などの消防設備の設置が求められます。

また、一定規模以上の店舗では、防火管理者の選任や消防計画の作成が必要になる場合があります。特にガスコンロやフライヤーなど火気を使用する飲食店では、火災防止対策を適切に行わなければなりません。

開業前には消防署による確認や検査が行われることもあるため、内装工事の段階から消防設備の要件を確認しておくことが重要です。

3. 労働安全衛生法への対応

飲食店を運営する際は、お客様だけでなく従業員の安全にも配慮しなければなりません。日本では労働安全衛生法に基づき、事業者に対して安全で健康的な職場環境を整備することが求められています。

飲食店では、厨房での火傷や転倒、包丁によるけがなどのリスクがあるため、安全な作業手順の整備や従業員への教育が重要です。また、長時間労働の防止や適切な休憩時間の確保、定期健康診断の実施なども必要に応じて行わなければなりません。

従業員が安心して働ける環境を整えることは、法令遵守だけでなく、離職率の低下やサービス品質の向上にもつながります。開業後も継続的に職場環境を見直し、安全管理を徹底しましょう。

4. 看板設置に関する許可・届出

飲食店の集客に欠かせない看板ですが、設置する場所や大きさによっては自治体への許可申請や届出が必要になる場合があります。日本では多くの自治体で「屋外広告物条例」が定められており、看板のサイズや設置方法、表示内容などに一定の基準が設けられています。

特に道路に面した大型看板や建物から突き出す看板を設置する場合は、事前に許可を取得しなければならないケースがあります。また、景観条例が定められている地域では、色やデザインに制限が設けられていることもあります。

無許可で看板を設置すると是正指導や撤去命令の対象となる可能性があるため、開業前に自治体へ確認し、必要な手続きを行うことが大切です。

5. 音楽利用・著作権に関する手続き

飲食店で音楽を流したり、生演奏やイベントを開催したりする場合は、著作権に関するルールを確認する必要があります。市販のCDや音楽配信サービスを店舗でBGMとして利用する際には、利用方法によって著作権使用料の支払いが必要になる場合があります。

著作権を侵害すると損害賠償請求などのトラブルにつながる可能性があるため、音楽を利用する際は事前に利用条件を確認し、必要に応じて適切な手続きを行いましょう。

6. 食品衛生法などの関連法令を遵守すること

日本では、食品衛生法に基づき、飲食店に対して食品の安全性と衛生管理に関する基準が定められています。これらの規制は、食中毒や異物混入などのリスクを防ぎ、消費者の健康を守ることを目的としています。

主な要件としては、HACCPに沿った衛生管理の実施、従業員への衛生教育、食材や調理器具の適切な管理などが挙げられます。また、店舗内の衛生状態を維持し、安全な食品を提供できる体制を整えることも重要です。

法令を遵守して営業を行うためには、厚生労働省や各自治体の保健所が公表しているガイドラインを確認し、最新のルールに沿って衛生管理を行うようにしましょう。

飲食店開業への第一歩を踏み出そう

飲食店を開業するためには、飲食店営業許可をはじめ、食品衛生責任者の設置や消防関連の手続きなど、さまざまな許可・申請が必要です。準備することは多くありますが、これらの手続きを適切に行うことで、法令を遵守しながら安心して店舗運営をスタートできます。

また、開業後にスムーズな運営を実現するためには、物件選びや厨房設備の整備、衛生管理体制の構築なども重要なポイントです。事前に必要な手続きや準備を把握しておくことで、開業後のトラブルを防ぎやすくなります。

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