こんにちは!kitchen base(キッチンベース)です。
昨今、原材料価格の高騰や、燃料費の高騰などで店舗経営が苦しい日々が続いているかと思います。実際に値上げに踏み切った店舗もあれば、値上げをせずに営業を続けている店舗もあります。リピーターとなってくれているお客さまが離れずに、値上げを行える方法はないのでしょうか?
今回はそんな方法を徹底解説。お客様への告知方法も、例文を元に記載したいと思います!
飲食店の価格改定・値上げに対し7割が理解を示す
「食材や物流費、光熱費などの高騰により値上げせざるを得ない飲食店も多い中、7割以上の人が飲食店の「値上げ」に一定の理解を示している」(参照:ぐるなび会員向け調査)との情報があります。
日々ニュースなどで値上げが取り沙汰されており、なおかつ日用品などの高騰も相まって、値上げをすることに対する理解はお客様自身も持っていることが数字上でもわかります。
とはいえ、実際値上げすることによりお客さまが離れてしまうのではないか、と不安になるのも事実。しっかりと考えてどのように告知するのか、またどのメニューを値上げするのか、など戦略が必要になります。
どのメニューから値上げすべきなのか?
値上げに対してお客さまが理解を示している一方で、実際には「全メニュー値上げ」するべきなのか「一部メニューのみ」値上げするのかは悩みどころ。
全メニューを値上げする場合は、告知方法を考えるだけで良いのですが、一部メニューの場合は注意が必要です。
人気メニューを値上げした場合、利益に繋がりやすいですがお客さまにとってインパクトが大きくなるのも事実です。デメリットとして、お客さまが離れてしまう可能性もありますので、注意しながら進めなければなりません。
出数の少ないメニュー:一方で出数の少ないメニューを値上げした場合は、利益に繋がりにくく、結果として値上げしたメリットをほとんど得られなくなる可能性があります。
どちらの場合も、利益とお客様の感情を考慮しながら進める必要があります。
出数の少ないメニューを価格改定・値上げするケース
一方で出数の少ないメニューを値上げした場合は、利益に繋がりにくく、結果として値上げしたメリットをほとんど得られなくなる可能性があります。どちらの場合も、利益とお客さまの感情を考慮しながら進める必要があります。
値上げ金額の設定方法
一方的に値上げを行い、お客様の心を離さないためには設定方法が大切になります。ロジックが通っていない値上げを行うだけでは、お客様が離れていく要因になってきます。
お客様の心を引き止めつつ、値上げを行うためにはどうしたらいいのでしょうか?
仕入れ価格の上昇に応じた値上げ
日々の仕入れ価格が上昇している昨今。仕入れ価格の上昇に応じて実際のメニューも値上げする方法が一般的でなおかつ簡易な方法になります。
しかしながら、まとめて仕入れられる大型チェーンでない場合、仕入れ値は日々多少の変動があります。
そのため、仕入れ価格のみで決定するのではなく、原価率やFLコストなどを意識しながら決定するのが理想です。
原価を維持するための値上げ
原価率を維持するために値上げする方法です。仕入れの価格が高騰することで、原価率が高くなりFLコストが上がってしまうケースが多いです。どれくらいの原価率であれば実際に健全経営となり得るのか、数字を見ながら決定していく形になります。
ここでもFLコストのパーセンテージが非常に重要になってきますので、自分の店舗がどの数字を目指していくべきなのか、指標を見ながら決定していく必要があります。
競合店や類似点を参考に決める
最後は競合店や類似店を参考にしながら決めていく方法です。自店舗と競合店では仕入れ先が違い原価率などがわからない場合があります。
ですので、実際には仕入れ価格、原価維持など、全て複合的に考えて設定していく必要があります。
現在、自店舗が競合と比べて選ばれている点はどこにあるのか。類似店よりも優れている点は何か。そういったマーケティングも行いながら、値上げできる幅を考えていきます。
価格改定・値上げをお客さまへ告知する方法
値上げする!と決め、料金を設定したら、次はお客様に告知を行います。
この時に一番注意しなければならないのは、告知せずにこっそり値上げすることです。こっそり値上げした場合、今まで何度もリピートしてくれていた常連客が離れていく危険性もあります。受け入れてもらえるかわからない不安もありますが、しっかりとお客さまに説明していきましょう。
張り紙またはポスター
店内または店頭に、値上げを行ったことを告知する方法です。
貼るだけですが、しっかりと文章を書き、お客さまへ誠意が伝わるようにする必要があります。
POP(レジ前POP、卓上POP)
こちらも基本的にはポスターなどと同じになります。
しかし、小さい文字では見えにくく、お客さまによっては見逃してしまうこともあります。レジなどであれば、お会計時に伝えたりすると、なお良いでしょう。
ホームページ
ホームページを有している飲食店でしたらホームページ上でのお知らせも有効です。
リピートしているお客さまはあまりホームページを見ない可能性もありますが、重要なことをしっかり記載しているというのは、気持ちの良いことであり満足度に繋がります。
メルマガ
メルマガを配信している店舗もあると思います。
メルマガで値上げを伝えるのも必要なことです。実際メルマガを登録しているお客さまは、会員登録していますので、店舗に対する興味が非常に高くなります。そのため、値上げなどの情報は早めに送付すると離れることなく継続してきてくれる可能性が高くなります。
LINE
今、お客さまとの繋がりで一番手軽でなおかつ普及しているのがLINEです。LINEでクーポンの発行、情報の発行を行っている店舗も多いのではないでしょうか?
一斉に送信すればブロックされる可能性ももちろん高くはなりますが、お客さまにちゃんと届く方法としては一番有効です。
公式LINEアカウントを発行まだしていない店舗はこの機会にチャレンジしても良いのかもしれません。
価格改定・値上げを知らせる適切なタイミング
価格改定は飲食店経営にとって避けられないものですが、適切なタイミングで値上げを告知することでお客さまとの信頼関係を築き、客離れを防ぐことができます。
ここでは、価格改定を知らせる適切なタイミングについて考えてみましょう。
実施日の2週間〜1ヶ月前がベスト
値上げのお知らせは実施日の2週間〜1ヶ月ほど前に余裕を持って行いましょう。チェーン店の場合は3ヶ月前から告知する場合もあります。また、実施の直前にリマインド告知を出すことで、お客さまへの周知を徹底すると共に誠意を伝えることができます。
新メニューの導入時
新メニューのリリース時も最適なタイミングの一つ。新メニューの導入と他メニューの値上げを同時に告知することで、店のメニュー全体のリニューアルとしてポジティブな印象を与えることができるためです。新メニューの魅力を訴求することで、お客さまの期待を誘うことができるでしょう。
業界全体の動向に合わせる
業界全体の価格に合わせることも重要です。周囲の飲食店の値上げに合わせることで、お客さまに値上げを理解してもらいやすくなります。値上げをすることは勇気がいるかもしれませんが、品質やサービスを上げることでお客さまの理解を得ることができます。
【テンプレート】価格改定・値上げのお知らせ例文
価格改定・値上げのお知らせにおいて主に記載するべきことは下記のとおりです。
- お客さまへの感謝
- 値上げをすることとその理由
- 具体的な価格改定の内容
- 今後の意気込み
- お問い合わせ先
値上げすることは悪いことではありません。しかしながらお客さまに対して誠意を見せなければ離れてしまうのも事実。なぜそうなったのか、きちんと説明できれば、お客さまはまた足を運んでくれます。
1.お客さまへの感謝を伝える例文
値上げを知らせる際は、お客さまへの感謝をしっかり伝えましょう。そうすることで、お客さまへの信頼を維持し、理解される価格改定を行うことができます。
- いつも当店をご利用いただき、厚く御礼申し上げます。
- 日頃のご愛顧、心より感謝申し上げます。
- 日頃より格別のお引き立てを賜り、厚く御礼申し上げます。
- いつも当店をご利用いただき、心より感謝申し上げます。
- 多くのお客さまに長らくご愛顧いただき、誠にありがとうございます。
2.価格改定・値上げの理由を伝える例文
値上げの理由は明確にすることが重要です。原材料費の高騰や業界全体の動向など具体的な背景を明記し、価格改定における透明性を維持しましょう。
- 誠に勝手ながら、原材料費の高騰により、20〇〇年〇月〇日より一部メニューの価格を改定させていただきます。
- 誠に恐縮ではございますが、原材料費・光熱費・物流費の上昇を受け、20〇〇年〇月〇日より一部メニューの価格を改定させていただくこととなりました。
- 誠に勝手ながら、材料費や人件費の高騰に対処し、今後も品質とサービスを維持向上するため、20〇〇年〇月〇日より価格を改定させていただきますことをお知らせいたします。
- 現在、業界全体での原材料費高騰や光熱費増加の影響が続いております。誠に勝手ながら、20〇〇年〇月〇日より一部メニューの価格を改定させていただくこととなりました。何卒ご理解のほどお願い申し上げます。
3.価格改定・値上げを伝える例文
値上げの具体的な内容を伝える際は、具体的な商品名+旧価格→新価格を分かりやすく明記しましょう。下記のように箇条書きを用いるとシンプルで伝わりやすくなります。
- 改定時期:20〇〇年◯月◯日より
- 改定内容:〇〇(商品名) 1,400円 → 1,700円
全商品を対象に一律%で値上げする場合は「〇〇(商品名) 全商品 現行価格から〇〇%」と記載してください。
4.今後の意気込みを伝える例文
値上げのお知らせと一緒に前向きなモチベーションを感じさせる文言を含めることで、お店の信頼感を高めることができます。
- 価格改定に伴い、今後も更なる品質管理と接客サービスの向上に努めてまいります。これからも変わらぬご愛顧を賜りますようお願い申し上げます。
- 改定後は、新たなメニューの開発や既存メニューのリニューアルにも注力し、皆様にこれまで以上にご満足いただけるよう取り組んでまいります。今後ともよろしくお願いいたします。
- 今回の価格改定を契機に、より一層お客さまに笑顔でお帰りいただける店づくりを目指し、スタッフ一同、サービス向上に全力を注いでまいります。変わらぬご支援のほどお願い申し上げます。
5.問い合わせ先を伝える例文
問い合わせ先の文言を追加することで、お客さまが疑問を抱く前に安心感を与えることができます。具体的な窓口を提示して、できる限りお客さまに寄り添う姿勢を示しましょう。
- ご不明な点がございましたら、お気軽に店舗スタッフまでお問い合わせください。
- ご不明な点がございましたら、下記までお気軽にご連絡ください。[お問い合わせ先:店舗電話番号/メールアドレス]
メールで価格改定・値上げを知らせる例文
件名:価格改定のお知らせ(〇〇メニュー 20〇〇年◯月より)
いつも[店舗名]をご利用いただき、誠にありがとうございます。
この度、原材料費・光熱費の高騰を受け、20〇〇年◯月◯日より、下記メニューの価格を改定させていただきます。
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・〇〇(商品名) 〇〇円 → 〇〇円
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価格改定に伴い、今後も品質・サービスの向上と、新メニューの考案に努めてまいりますので、引き続きご愛顧を賜りますようお願い申し上げます。
ご不明な点がございましたら、お気軽に店舗スタッフまたは下記連絡先へお問い合わせください。
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店舗名:[店舗名]
電話番号:XXX-XXXX-XXXX
メール:info@xxx.xxx
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お客さまにはご不便をおかけしますが、何卒ご理解いただけますようお願い申し上げます。これからも[店舗名]をよろしくお願いいたします。
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[店舗名] スタッフ一同
ポスターで価格改定・値上げを知らせる例文
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価格改定のお知らせ
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いつも[店舗名]をご利用いただき、誠にありがとうございます。
この度、原材料費・光熱費・物流費の高騰に伴い、大変心苦しい限りですが、以下の通り一部メニューの価格を改定させていただきます。
改定時期:20〇〇年〇月〇日〜
■ 対象商品および価格
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・〇〇(商品名) 〇〇円 → 〇〇円
・△△(商品名) 〇〇円 → 〇〇円
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※他商品の詳細は店内メニュー・ホームページにてご確認ください。
価格改定に伴い、今後も更なる品質管理と接客サービスの向上に努めてまいります。これからも変わらぬご愛顧を賜りますようお願い申し上げます。
ご不明な点がございましたら、お気軽に店舗スタッフまでお問い合わせください。
[店舗名] スタッフ一同
価格改定・値上げによる客離れを防ぐポイント
ここでは、お客さまに納得してもらう値上げを行うためのポイントを解説します。価格改定に伴う客離れを防ぎたい方は必読です。
透明性を確保して情報をわかりやすく伝える
値上げのお知らせをする際は、値上げの理由を明確にし、お客さまに納得してもらえるよう心がけましょう。飲食店の経営においてお客さまとの信頼関係は非常に重要です。お客さまに信頼されることで、来店頻度・支出額が増え、経済的な安定にもつながります。値上げの理由だけでなく、価格以外の価値を高めていくこと、価格改定に対するフォロー体制なども伝え、透明性の確保に努めましょう。
新メニューやサービスを作る
価格改定に伴い新メニューやサービスを作るのも有効です。価格だけを上げるのではなく、新メニューや限定商品を加えることで「価格以上の価値」を感じてもらえる可能性があります。また、新メニューや限定サービスを導入することで新たな話題が生まれ、SNSでの認知が広がる可能性もあるでしょう。
ステルス値上げはしない
ステルス値上げとは、商品の価格を据え置いたまま、内容量を減らすことで実質値上げをすることです。価格改定をお客さまに伝えづらい気持ちは理解できますが、ステルス値上げは客離れを引き起こし、不誠実な印象を与えてしまうためやめましょう。価格以外の価値提供、今後も顧客の期待に応えていく姿勢を明確にし、誠実な態度で値上げと告知を行うことが大切です。
まとめ
いかがだったでしょうか?
原材料、エネルギー関連が値上げしていくことで大変な思いをしながら飲食店を経営されているかと思います。
実際、値上げは悪いことではありません。
適切な理由があり、ちゃんと値上げするのであれば、お客さまも納得してくれることがほとんどです。しっかりと準備を行い、値上げするタイミングを考えながら行いましょう。
ぜひ一度ご連絡くださいませ。
KitchenBASEでは競合を分析したり、デリバリー、テイクアウトなどのマーケティングも一緒に考えます。ぜひ一度ご連絡くださいませ。
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▶︎ クラウドキッチン「KitchenBASE(キッチンベース)」とは?
KitchenBASEは、デリバリーに特化した飲食店向けの業務用キッチンです。デリバリー専用の効率的な調理・梱包・配送が可能なレイアウトと設備が整っていますので、デリバリー専門店の調理やキッチンカーの仕込み、業態開発などさまざまな用途に活用できます。
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